「遺産」とは、亡くなられた故人様が残されたすべての財産のことを指します。
遺産=財産、と聞くと、「お金」のイメージが強いかもしれませんが、ここでは、預貯金・現金といったお金だけではなく、故人様が残したもの、全て、が遺産となります。
「全て」なので、プラスの財産だけではなく、例えば、故人様が生前にご事情があってどなたかからお金を借りていた、とか、車をローンで支払っていた、となった場合の、マイナスの財産も含まれます。
私ことですが、私の母は、「私が死んでも、もめるようなだけの物なんてないから大丈夫!」とよく笑います。
しかし、私にはある心配事があります。
母には毎日使っている三面鏡があります。この三面鏡、母が嫁入り道具の一つとしてもってきたものらしいのですが、私よりもはるかに年上なはずなのに、とても状態がよく(昔のものはさすがですね)、使い勝手も抜群。
子供のころは、自分の容姿が三面の鏡に映し出されるのに恐怖を感じていたこともありますが、今となれば、私が欲しい、母のものの一つ。しかし、ある時、私の姉妹も同じくこれを狙っていることが判明!そして、最近では年頃になった娘が母に直接おねだりしていたことも判明!
将来、母に万が一があった時、この人気の三面鏡が誰のものとして引き継がれるかは分かりませんが、どうしても欲しい!と互いに誰も一歩も譲らなければ、たった一つの三面鏡の為に、姉妹や娘とけんかになるのかな、なんて心配なのです。
先に使わなくなるであろう母としては、「誰かが使ってくれればうれしい」くらいにしか思っていないかもしれませんが、逆に言えば、母の次の持ち主が決まらないということは、この三面鏡はその役割を果たせず、お蔵入りになってしまうかもしれないのです。それではこの三面鏡の価値は全くなくなってしまいます。母の人生のつまったものだからこそ、母への想い、母からの想いを大切につなぎつつ、使ってくれる誰かを決める必要があります。
これはあくまでも私ことであり、極端な例かもしれませんが、故人様が残されたすべての物には、故人様の人生がつまっています。遺産分け=遺産分割協議は、必ず相続人全員による話し合いが必要です。
そしてその話し合った内容を書面にしたものが遺産分割協議書であり、そこに相続人全員の署名・捺印(実印)がされることで、初めて有効なものとして扱われます。
「故人様の残した財産を、次に誰が引き継ぐのか決める」
これには、まず故人様の人生や想いに触れることが大切になるんじゃないかな、と私は思っています。
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