令和5年5月7日に、稲沢市勤労福祉会館にて、開業のご挨拶を兼ねた座談会を開催させていただきました。当日は今は神奈川県に住んでいる長男が、フィアンセを連れてわざわざ応援にかけつけてくれました。
座談会の中で、「自分の命や最期は自分で決める」という備えの一つとして、尊厳死宣言書のお話をしました。延命措置とは、尊厳死とは、など一つ一つ説明させていただき、最後に、「私自身も、娘や夫に承諾をもらって尊厳死宣言をしています」と締めくくりました。
その夜のこと、緊張感から解放されて程よい疲れに酔いしれる私に、神奈川に戻った長男から、一通のLINEが…
「座談会、とってもよかったよ! ただ…尊厳死宣言書を書いてることは聞いてない」
その文面を見て、一瞬で眠気が吹っ飛びました。
恥ずかしながら、座談会の中で私は、「家族の同意が必要です」と説明しました。そして、私自身、今一緒に住んでいる、娘、夫、次男には意思を伝え、その目の前で宣言しました。
そう、長男には何も話していなかったのです。言い訳になりますが、長男のことは全く頭になかったわけではありません。「今は遠く離れて住んでいるから私に万が一があった時に一番に付き添えるわけではないだろうし、何より、私が決めたことに反対なんてしないだろう」と勝手に思い込み、長男に伝えることすらしていなかったのです。
長男のそのLINEからは、私を責めているというより、寂しさのようなものを感じました。もう立派に成人し、自立し、新しい家族を持とうとしているにしても、長男はやっぱり私の息子であり、家族の一員。今までにも家族の出来事を電話やLINEで報告してきました。それに返事もないことも時にはありましたが、長男は長男なりに家族の一員であってくれていたのです。
長男には、私が尊厳死を望むことの改めての説明と、「黙っててごめんね」と返信しました。
長男は、きっと私に万が一があった時、尊厳死を望んでいることを知らなかったとしても、娘や夫から伝えられれば、「この人らしい」と反対はしなかったと思います。でも、自分だけが知らなかった、知らされていなかったことに、少なからずシコリのようなものは残っていたのではないかと思います。
今回のことで、「終活は本人だけではなく、家族も当事者」ということを改めて実感しました。
寂しい思いをさせましたが、とても大切なことを教えてくれた長男には感謝です。
今度帰省してきた時には、彼の大好物の春巻きを作ってもてなしたいと思います。
愛知県内に出張対応します
ご自宅までの出張費
愛知県稲沢市内は無料