令和6年1月28日に開催させていただいた座談会は、「その介護、その相続、まずははじめの一歩から」がテーマでした。
相続に関しては、「その相続、相続人の私ができること、できないこと」ということで、途中〇×クイズもやらせていただき、皆様真剣に考えてくださいました。
遺産分割協議は、相続が発生した後に残された財産の分配の方法を相続人が話し合って決めるものですが、故人様自身が、生前のうちにご自分の財産の行く末を決めておく、託しておくのが、「遺言」です。故人様の生前の最終の意思表示を「遺言」といい、それを書面に落とし込んだものを「遺言書」といいます。
法的に有効な遺言書があれば、故人様が亡くなって初めてその効力が発生します。その内容に、相続人が納得し、疑義も出されなければ、その内容通りに財産の分配がされ、晴れて残された財産の次の持ち主が決まるという流れになります。
つまり、相続人全員による遺産分割協議が必要なくなるので、様々ないきさつがあって(例えば、夫婦間にお子様がいない、相続人同士の仲が良くない、連絡が取れない相続人がいる、相続人の中に未成年者がいるなど)、遺産分割協議をしようにも、相続人全員が集まることが難しい、話し合いを持つことが難しい、法律的な問題が生じる、といった事情が相続発生後に生じる可能性があるのであれば、ぜひ遺言書を残されることをおすすめしています。
しかし、いきなり「遺言書」というと、なんだかハードルが高い、躊躇してしまう、という方も多いのではないでしょうか。残す、書くのはいいけど、何から始めたらいいのだろう?と迷ってしまう…
そんな方にまずしていただきたいことがあります。
それは「振り返りと想像」です。
まずは「ご自分の情報整理」をしてみるということです。
「ご自分の過去を振り返る」 今までに、どんなご縁や出会いがありましたか…どんな財産を築いてきましたか…
「ご自分の現在に向き合ってみる」 ご家族関係はいかがですか…お身体の具合はいかがですか…今どこに、どれくらいの価値の財産がありますか…
次に、「ご自分の将来を想像してみる」ことをしてみてください。
ご自分の望む将来や老後、最期はどんなものですか…誰に、何をお願いしたいですか、託したいですか…
そして、それをぜひ書き出してみていただきたいのですが、その時に活用いただきたいのが、「エンディングノート」と呼ばれるものです。
今は書店や文房具店で、終活を取り上げたコーナーも多く見られるようになりました。
その中で、呼び方は違っても、ご自分の人生の振り返りの情報やこの先のご希望や意思を書き出せるような書籍やノートを取り扱っているお店も増えています。
私は、遺言書作成のご相談をいただくと、まずはこのエンディングノートを書いていただくようにお願いしています。
ご自分の生い立ちや、家族関係、親族関係、といった情報は、「相続人の特定」につながりますし、財産の状況や状態などの情報は、「相続財産の把握」につながります。この二つは、遺言書作成時には欠かせない情報になりますが、もう一つ、もし遺言書の作成・完成まで待たずにご本人が亡くなられた場合にも、残されたご家族が相続手続きを進めるにあたって、とても役に立つ情報となります。
ただ、このエンディングノート自体には、法的な効力はありません。遺言書と違い、相続人を法的に左右するものではないことに、注意が必要です。
しかし、「終活」という言葉を意識した時は、まずは「ご自分の今までの人生を振り返り、この先の人生を想像してみる」 これが、一番最初に気軽にできるはじめの一歩になるのではないかと考えます。
まだまだ寒い日が続きます。おうち時間が長くなる今この季節に、ぜひ「はじめの一歩」を踏み出してみませんか。
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