先日のこと。普段からお世話になっている介護福祉関係者の方から連絡をいただきました。
この方が担当されている利用者様に協力していただける親族がおらず、後見人をつけるしかないという話が出ているが、「後見って悪法ですよね、だからできたら使いたくないんです」と。
このようなご相談を受けることは少なくありません。行政書士で組織するコスモスあいちの会員として普段後見業務をやらせていただいている私としては複雑な気持ちにもなりますが、実はこういったご相談は、後見制度を正しく知っていただくチャンスでもあるととらえています。
話は戻り、この方に「どうして後見は悪法だと思うのですか?」と聞くと、こんなお返事がありました。
「後見人はお金のことしか考えていないと聞いた」「本人に会いにも来ないと聞いた」「本人が亡くなると本人の財産を全部持っていってしまうと聞いた」などなど…。たしかに、この話だけ聞くと、後見は悪法、後見人は悪人と言われても仕方ないかもしれませんね。ただ、後見人としてきちんと正しくご説明し、誤解を解きたいことも多くあります。
・「後見人はお金のことしか考えていない」→後見人は本人の財産をお預かりし、本人の命や生活、人生を守るためにお預かりした財産を維持・管理・処分していきます。
・「本人に会いにも来ない」→少なくとも私や私の知っている後見人は、定期的に本人を訪問、面談し、衣食住に困っていないか、虐待等を受けていないか等の確認を身上監護の一環としておこない、また、関係者との連携を図っています。
・「本人が亡くなると後見人が財産を持っていく」→本人が亡くなったと同時に後見人は辞任となり、お預かりしていた財産は本人の相続人がいればその相続人に引き渡します。
いかがでしょうか、明確に誤解されているものもありますが、聞き方やとらえ方によっては確かにそう思われても仕方ないかもしれないというところもあります。
情報社会となった今、ワンクリック、ワンタップで得られる情報は無限にあり、私達の生活を豊かにしてくれるものもたくさんありますが、反対に正しい情報と誤った情報とを見分けるのがとても困難になっていると感じます。この方の場合も、ご自身はまだ後見人が就いている方を担当したことがないとのことで、後見について色々調べてみたけれど、どれも批判的な情報ばかりだったからとのことでした。そして私が一通りご説明したことに対し、「知っておくことも必要だけど、正しく知らなければ、せっかくある選択肢を自ら潰してしまうことにもなるんですね」と仰っていただくことができました。私にとっても、この方が、目先の情報だけにとらわれず、声をあげて質問してくださったことは意義のあることだったと感じております。
超高齢社会において、高齢者を支援するにはチーム一丸となることが必要だと思います。そして後見人もそのチームの一員として、本人に代わって法律行為を通し財産管理や身上監護をしてまいります。ぜひ後見人を身近に感じていただき、そのチームに入れていただきたいと思います。
愛知県内に出張対応します
ご自宅までの出張費
愛知県稲沢市内は無料

